2024年ドラフトで読売ジャイアンツに指名された吉村優聖歩(よしむら・ゆうせふ)投手。
高知県の名門・明徳義塾高校出身のサウスポーで、独特のトルネード投法と緩急を使った投球術が持ち味です。

高校時代から「制球力の高い技巧派左腕」として注目され、プロ入り後もファンの期待を一身に背負っています。
この記事では、吉村優聖歩投手の投球スタイル・球種・球速データ・高校時代の実績・プロでの課題と将来性を、プロ野球ファン・スカウト目線で徹底解説します。
読売ジャイアンツ吉村優聖歩のプロフィール
- 名前:吉村優聖歩(よしむら・ゆうせふ)
- 生年月日:2004年生まれ
- 出身地:熊本県
- 出身校:明徳義塾高校
- 身長/体重:181cm/84kg
- 投打:左投げ左打ち
吉村優聖歩投手は中学時代から熊本県で注目されていた左腕。
明徳義塾高校では1年春からベンチ入りし、2年夏以降はエース格としてマウンドに立ちました。
特に左打者への外スライダーと右打者へのチェンジアップが高く評価され、プロスカウトも「高校生離れしたコントロール」と絶賛しました。
読売ジャイアンツ吉村優聖歩の投球フォームの特徴
吉村優聖歩投手の最大の特徴は、脱力とトルネード投法。
足を大きく上げながら体を一度後ろにひねる独特のフォームで、力感のないゆったりとしたフォームから鋭いボールを投げ込むことで打者のタイミングを外し詰まらせます。
まさにKジロー好みの投球フォーム。
こちらの動画をご覧ください▼
独特な体のひねりとタイミングの取り方
一般的な左腕よりもテークバックの位置が深く、リリースが遅く見えるため、打者は球速以上に速く感じるといわれています。
又、杉内俊哉投手を彷彿させる脱力感も相まってよりバッターのタイミングを崩しています。
実際、最速144km/hながらも、ストレートで空振りを奪える投手です。
明徳義塾時代に確立されたメカニクス
明徳義塾の馬淵監督のもとで、吉村優聖歩投手はフォームを徹底的に磨きました。
「腕の振りを最後まで隠す」「打者にコースを読ませない」など、心理戦を重視する明徳スタイルを完全に体現。
結果として、被打率はわずか.185(高知大会)と圧倒的な数字を残しました。
読売ジャイアンツ吉村優聖歩の武器となる球種とデータ分析
吉村投手は4種類の球種を操るバランス型サウスポーです。
球種 | 球速帯 | 特徴 |
---|---|---|
ストレート | 138〜144km/h | 伸びのある回転数で空振りを取るタイプ |
スライダー | 118〜122km/h | 左打者の外角に逃げる切れ味鋭い球 |
チェンジアップ | 110〜115km/h | 右打者の膝元に沈む決め球 |
カーブ | 105km/h前後 | 緩急をつけるためのアクセント |
特に武器となるのが、スライダーとチェンジアップのコンビネーション。
スライダーの曲がり始めとチェンジアップの落ち際が似ているため、打者がどちらかを見極めるのが非常に難しい。
その結果、高校通算で与四球率1.8/奪三振率9.0という、精密機械のような安定感を見せました。
読売ジャイアンツ吉村優聖歩の高校時代の実績
明徳義塾では、2年秋からエースナンバー「1」を背負い、3年春には県大会優勝。
3年夏の高知大会では、準決勝で高知高校と対戦し、9回を投げて被安打3・奪三振10・失点1の完投勝利を記録。
- 高校通算登板数:45試合
- 通算防御率:1.75
- 通算奪三振:148
- 通算与四球:32
数字が示す通り、派手さはないものの、試合を作れる安定感と勝負強さが際立っています。
明徳義塾OBの中でも「最も実戦的な左腕」と評され、巨人スカウトも「完成度が高い」とコメント。
読売ジャイアンツ吉村優聖歩の成長ポイント
入団後、吉村投手はファーム中心での育成が予定されています。
課題は「球速アップ」と「プロ打者への対応」。
フォーム改良と球威アップの兆し
巨人のトレーニングコーチの指導のもと、下半身の強化を進め、球速はすでに140km/h台に突入。
回転数も平均2,200rpm→2,400rpmへ上昇しており、球質の向上がデータにも表れています。
又、杉内投手コーチからスライダーなどのアドバイスをもらうなど今後の成長が楽しみです。
プロの打者に対しての課題
一方で、プロの右打者にはチェンジアップが高めに浮く場面もあり、被打率.290前後。
「低めの制球」と「アウトローへの精度向上」が次の壁と言えるでしょう。
将来性を買われて入団しているので、今後の成長に注目していきたい所です。
読売ジャイアンツ吉村優聖歩の将来性
吉村優聖歩投手の将来性は、読売ジャイアンツの育成方針と彼自身の投球スタイルから見ても、かなり期待できるものがありますね。
- 技巧派左腕としての完成度
- 高校時代から「制球力」「緩急」「心理戦」に長けた投球術を確立。
- トルネード投法による球の出どころの見づらさが武器。
- プロでの育成進捗
- 2025年に二軍初登板。1回無失点、奪三振1と安定した内容。
- 三軍では奪三振率が投球回を上回るなど、着実に成長中。
- 球速と球質の向上
- 入団当初は138km/hだった球速が、現在は144km/hまでアップ。
- 回転数も向上し、ストレートで空振りを奪えるように。
- 将来的な役割
- スカウト陣は「中日・小笠原慎之介タイプ」と評価。
- 「中継ぎ→先発ローテ入り」のルートが濃厚。
- 本人も「長いイニングを投げる投手になりたい」と語っており、未来の左エース候補として期待大。
- 課題と伸びしろ
- チェンジアップの高め浮きや右打者への制球精度が課題。
- ただし、フォーム改良と下半身強化で改善傾向あり。
このタイプの投手は、派手さよりも「安定感」と「試合を作る力」で評価される為、長期的にローテーションの柱になれる可能性が高いと思っています。
育成から這い上がり、東京ドームで歓声を浴びながら堂々と投げる姿を楽しみにしています。
まとめ
読売ジャイアンツの吉村優聖歩は、
- 脱力トルネード投法による独特のタイミング
- スライダー&チェンジアップの精密コンビネーション
- 抜群の制球力
を武器に、プロでも十分通用する可能性を秘めています。
派手さよりも「安定感」と「勝負強さ」で魅せるタイプ。
巨人の育成体制の中で球速と経験を積めば、ポスト菅野を支える技巧派左腕として一軍マウンドに立つ日も近いでしょう。